老人ホームで生活するに当たり、どの様にして代金を支払っているがよくわかっていないため、不安を感じている入居者様がいらっしゃいました。
具体的には、楽しいはずの食事時に、「私、お金を払っていないから、これ(出された食事のこと)を食べる訳にはいかない。」とおっしゃり、出された食事には手を付けないまま、お盆ごと厨房に返しに行こうとする入居者様がいらっしゃいました。
今回は、このように不安を感じていらっしゃる入居者様に安心して食事を召し上がっていただくためにどのように説明をして解決したかの実例を紹介いたします。
支払いは1か月単位
その入居者様がおっしゃる通り、確かに、出された食事を毎回代金と引換に受け取って食べている訳ではありません。
私が勤めている老人ホームでも、1か月単位で利用料金をお支払いいただいています。
なので、決してお金を支払っていない訳ではありません。
ただし、その都度毎回支払っている訳でもないため、支払っているという実感も無いかもしれません。
代金をその都度支払わない例の話
その入居者様は、「私、お金を払っていないから、これ(出された食事のこと)を食べる訳にはいかない。」とおっしゃいました。
そこで、次のような例え話をしてご説明差し上げました。
「例えば、お部屋の明かりをつける時に電気を使うからと言って、あるいは、テレビを見るのに電気を使うからと言って、電気会社にその都度電気代を払いませんよね。1か月分まとめて支払いますよね。それと同じで、ここでの食事代も毎回お支払いいただく訳ではなく、1か月分まとめて支払っていただいています。なので、あなたはきちんとお金を支払っていますし、この食事はあなたに食べていただくために用意した分ですので、食べて大丈夫です。どうぞご安心してお召し上がり下さい。」
このように説明することで、その入居者様は安心して食事を食べて下さいました。
不安に寄り添うことが安心につながる
食事は、生きていく上で欠かせないものであり、毎日必ず3回行なう“活動”とも言えます。
だからこそ、その時間を「美味しく」「楽しく」、そして何より「不安なく」過ごしていただきたいと私は考えています。
認知症の方が不安を口にされた時は、その原因に寄り添い、その方が安心できる言葉で的確に説明することが大切です。
安心して食事を楽しんでいただくなど、一人ひとりに合った声掛けや接し方を実践した介護を毎日提供していきたいと考えています。