食べ物がすくえない悩みを解決!高齢者でもすくいやすい食器を介護用自助具として導入した成功事例紹介!

食事をする時、食べ物をスプーンでうまくすくえない、あるいはこぼしてしまう

そのため食事に時間がかかる上に、それでも満足に食事ができない

この記事では、このような高齢者の食事に関する悩みを解決する答となる「すくいやすい食器」を、介護現場で実際に自助具として導入し、効果を確認した成功事例を紹介いたします。

「もう、こぼさない!」食べ物をすくえない・こぼす悩みの解決方法とは

例えば、以下のような方は、食事の時間に苦労なさっていることと思います。

  • パーキンソン病で手が震える方
  • 脳梗塞の後遺症で手の動きが制限されている方
  • 関節リウマチや関節の拘縮で手指を思うように動かせない方
  • 加齢や疾患による筋力低下で細かい動作が難しい方
  • 何らかの理由で片手しか使えない方

このような手が不自由な高齢者が食事をする時に直面しがちな問題には、例えば以下のようなものがあります。

  • すくえない
  • こぼす
  • 散らかす
  • 汚す
  • 時間がかかる

これらの問題解決に当たっては、介護者が本人の代わりにすべて済ませてしまうのではなく、自力での食事を支援する環境を整えることが大切です。

この考え方に沿い、私が勤めている介護施設では、食事動作を補助し、難易度を下げる特殊な形状の「すくいやすい食器」を導入して、上記問題の改善を実感しています。

次章では、その結果得られた数々の効果をご紹介します。

【成功実例紹介】すくえない悩みを救う!すくいやすい食器の効果

この「すくいやすい食器」を導入することによって、以下のような幾つもの恩恵が得られました。

  • 食べ物を短時間で確実にすくえる
  • 口に運べずにこぼすことが減る
  • 食事の途中で食べるのが嫌にならない
  • 食べ終わるまでの時間が短縮される
  • 栄養を十分に摂取できる
  • 自分の力で食事ができる喜びを取り戻せる

    (高齢者の自立支援につながる)
  • 介護者の負担が減る

このように、「すくいやすい食器」の導入は、高齢者の食事の質を向上させるだけでなく、介護を行う私たちにとっても大きなメリットとなっています。

高齢者も介護者も、どちらも楽ができるとも言えます。

次章では、なぜこの食器がこれほどまでの効果をもたらしてくれるかの秘密を解説いたします。

【秘密を公開】なぜスプーンで食べ物がすくいやすくなるのか?

その秘密は、この「すくいやすい食器」の縁の一部が少し内側にカーブした特殊な形状をしているからです。

 

その部分に向かってスプーンを動かせば、食べ物が逃げることなくスプーンに収まり、食器やスプーンから食べ物をこぼすことなく確実にすくえるのです。

そのため、思うように手が動かない方でも、食器から口まで、こぼさずに食べ物を運ぶことができます。

そして、ストレスも減り、周囲を汚すこともなく、食事時間が短縮され、食事そのものを楽しめるようになります。

このように、特殊な形状をした「すくいやすい食器」は様々なメリットをもたらしてくれます。

次章では、この特殊な形状を備え、介護の現場で役立つ、おすすめの「すくいやすい食器」をご紹介します。

【介護のプロ厳選】手が不自由でもスムーズに「すくいやすい食器」おすすめ4選!

ここでご紹介するのは、全て縁の一部が内側にカーブした「すくいやすい」形状の食器ばかりです。

また、安定性にも配慮し、高さよりも横への広がりが大きい、皿に近い形のものを中心に選んでいます。

選んだ食器の素材はABS樹脂製またはメラミン樹脂製で、両者を比較するならば、ABS樹脂製の利点は安価であること、メラミン樹脂製の利点は丈夫であることです。

アズワン(ナビス):すくい易いお皿

価格の安さを優先したいならばこれがおすすめです。

底面は吸盤状の滑り止めが付いており、上から軽く抑えるとテーブルに固定できます。

外径235mm×高さ60mm​ です。

ABS樹脂製で、食洗機可、乾燥機可、電子レンジ不可です。(メーカーの公式カタログでは電子レンジ不可となっているにも関わらずAmazonの商品説明には誤った記述があるかもしれません。ご注意下さい。)

アビリティーズ:すくいやすい皿

部分的な出っ張りが無い、高さが均一な形状の皿がお好みならばこれがおすすめです。

フチにはスプーンを置けるくぼみがあります。

外径230mm×内径190mm×深さ(最深部)25mm​ です。

メラミン樹脂製で、電子レンジ不可、オーブンレンジ不可、食器洗い乾燥機可です。食器乾燥機可ですが、滑り止めゴムが剥がれる恐れがあるため、消毒保管庫では80℃以下15分以内で消毒して下さい。

アビリティーズ :高齢者・障がい者向けお皿三点セット

多様な使い方をしたいならばこれがおすすめです。

中皿(350cc)、 小鉢(240cc)、ミニ小鉢(80cc)の3点セットなので、用途に応じて使い分けたリ組み合わせたりできます。

メラミン樹脂製で、電子レンジ不可、オーブンレンジ不可、食器洗い乾燥機可です。食器乾燥機可ですが、滑り止めゴムが剥がれる恐れがあるため、消毒の際は80℃以下15分以内で消毒して下さい。

柄が異なるフェローセットとデュオセットの2種類があります。

東海興商(三信化工):自助食器 美華シリーズ 大皿

花柄の上品なデザインがお好みならばこれがおすすめです。

今回ご紹介しているのは
幅198mm×奥行186mm×底深さ38mm、容量480ccの大皿(UMS-47R)です。

美華(MIKA)シリーズには他にも
幅169mm×奥行157mm×底深さ40mm、容量380ccの中皿(UMS-45R)、
幅158mm×奥行146mm×底深さ40mm、容量330ccの小鉢・大(UMS-43R)、
幅137mm×奥行128mm×底深さ42mm、容量250ccの小鉢・中(UMS-41R)、
幅128mm×奥行120mm×底深さ41mm、容量200ccの小鉢・小(UMS-39R)
のバリエーションがあります。

メラミン樹脂製で、電子レンジ不可ですが、食器洗浄機可、食器乾燥機可、食器消毒保管庫は85~90℃までなら使用可です。

「もう食事で悩まない!」すくいやすい介護用食器が自立支援と負担軽減を両立!

介護現場で重視されている「できることは自分で」という自立支援の考え方は、高齢者本人の意欲やQOL(生活の質)の向上につながります。

適切な福祉用具や自助具の活用は、自立支援を後押しするだけでなく、介護者の負担軽減にも有効です。

今回ご紹介した「すくいやすい食器」は、すくえない・食べられない・時間がかかる等の悩みを解決し、高齢者と介護者の双方にメリットをもたらす自助具です。

毎日の食事がスムーズになれば、高齢者の栄養状態や精神状態が改善し、介護者の時間的・身体的・精神的な負担も軽減されます。

この「すくいやすい食器」が、在宅介護でお困りのあなたとご本人にとって、大切な食事の時間をストレスなく、おいしく、楽しく過ごすための味方になれば幸いです。

アズワン(ナビス):すくい易いお皿

価格の安さを優先したいならばこれがおすすめです。

底面は吸盤状の滑り止めが付いており、上から軽く抑えるとテーブルに固定できます。

外径235mm×高さ60mm​ です。

ABS樹脂製で、食洗機可、乾燥機可、電子レンジ不可です。(メーカーの公式カタログでは電子レンジ不可となっているにも関わらずAmazonの商品説明には誤った記述があるかもしれません。ご注意下さい。)

アビリティーズ:すくいやすい皿

部分的な出っ張りが無い、高さが均一な形状の皿がお好みならばこれがおすすめです。

フチにはスプーンを置けるくぼみがあります。

外径230mm×内径190mm×深さ(最深部)25mm​ です。

メラミン樹脂製で、電子レンジ不可、オーブンレンジ不可、食器洗い乾燥機可です。食器乾燥機可ですが、滑り止めゴムが剥がれる恐れがあるため、消毒保管庫では80℃以下15分以内で消毒して下さい。

アビリティーズ :高齢者・障がい者向けお皿三点セット

多様な使い方をしたいならばこれがおすすめです。

中皿(350cc)、 小鉢(240cc)、ミニ小鉢(80cc)の3点セットなので、用途に応じて使い分けたリ組み合わせたりできます。

メラミン樹脂製で、電子レンジ不可、オーブンレンジ不可、食器洗い乾燥機可です。食器乾燥機可ですが、滑り止めゴムが剥がれる恐れがあるため、消毒の際は80℃以下15分以内で消毒して下さい。

柄が異なるフェローセットとデュオセットの2種類があります。

東海興商(三信化工):自助食器 美華シリーズ 大皿

花柄の上品なデザインがお好みならばこれがおすすめです。

今回ご紹介しているのは
幅198mm×奥行186mm×底深さ38mm、容量480ccの大皿(UMS-47R)です。

美華(MIKA)シリーズには他にも
幅169mm×奥行157mm×底深さ40mm、容量380ccの中皿(UMS-45R)、
幅158mm×奥行146mm×底深さ40mm、容量330ccの小鉢・大(UMS-43R)、
幅137mm×奥行128mm×底深さ42mm、容量250ccの小鉢・中(UMS-41R)、
幅128mm×奥行120mm×底深さ41mm、容量200ccの小鉢・小(UMS-39R)
のバリエーションがあります。

メラミン樹脂製で、電子レンジ不可ですが、食器洗浄機可、食器乾燥機可、食器消毒保管庫は85~90℃までなら使用可です。

老人ホームに入所する選択肢もあります

私達人間は、老いると、年齢を重ねるとともに必要とする介護の量も増えていきます。ですが、あなたがあなたの生活を続けながら親御さんの介護をするとなると、できる介護にも限界があります。そんな段階に差し掛かっている親御さんであれば、介護は介護のプロに任せて、老人ホームで見守られながら生活してもらうことも検討してみてはいかがでしょうか?

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丹羽 英之

老人ホームで介護職員をしている経験をもとに、介護に関して有益な色々な情報を紹介していきます。

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