浴槽から立ち上がれない高齢者向け補助具として有効!浴槽台を使ってみてはいかがですか!

歳を取ると、足や腰を痛めてしまったり筋力低下によって入浴時に浴槽から立ち上がるのに苦労される高齢者もいらっしゃると思います。

浴槽から立ち上がれないならば、そもそも浴槽に入ってお湯に肩までどっぷり浸ることをあきらめざるを得なくなります。

今回は、そうすることを避け、高齢者が浴槽から立ち上がる際の補助具として有効な浴槽台について紹介いたします。

当該入居者様の実情

腰を痛めていて、ベッドや椅子から立ち上がるのも苦労している入居者様がいらっしゃいました。

椅子などに腰掛けていて、腰がある程度高い位置にある体勢から立ち上がるのですら苦労なさっている状態です。

ですから、浴槽にどっかり腰を下ろした体勢から立ち上がるのはなおさら大変です。

なので、入浴の時間も、洗い場で髪や体を洗ったら、暫くお湯を浴びてそれで終了です。

お湯に浸るともっと気持ちが良いことはわかっています。

ですが、残念ながら浴槽から立ち上がれないために、浴槽に入ってお湯に浸ることはせずに済ませていました。

そこで、浴槽台をお試しで使ってみていただきました。

浴槽台とは

浴槽台とは、高さ約20cm程度で、浴槽に沈めてその上に腰を下ろしてお湯に浸ったり(下の画像左側)、浴槽を出入りする時に踏み台の代わりに乗ったりして使う(下の画像右側)、背もたれの無い台のことです。

浴槽台を使う利点

  • 浴槽から立ち上がりやすくなる
  • 浴槽をまたぎやすくなる

今回話題にしている浴槽から立ち上がりやすくすることだけでなく、浴槽をまたぎやすくするために使うこともできます。

浴槽台を選ぶ際の5つのポイント

  • 1.浴槽の大きさに合ったサイズ
  • 2.高さ調整機能
  • 3.安定性
  • 4.材質
  • 5.清掃のしやすさ

1.サイズ

浴槽の大きさに合ったサイズのものが好ましいです。

なぜならば、大きすぎると浴槽内に収まらないため使い物になりません。

小さすぎると、座り心地が悪かったり、浴槽の壁の内側と浴槽台との間に足がはまったりしかねないからです。

2.高さ調整機能

これは、浴槽の深さやどのくらいお湯を張るかや使用者の体格に依っては妥協せざるを得ない部分もありますが、使用者にとって都合の良い高さに合わせられる物が有用です。

なぜならば、低すぎると、立ち上がりを補助する効果があまり得られないからです。

逆に高すぎると半身浴状態になり、肩までどっぷりお湯に浸れないからです。

ですが、この場合は立ち上がりやすくすることが優先されますので、お湯からはみ出した部分にはお湯を含ませたタオルを掛けたり、かけ湯をしたりして温まっていただきます。

3.安定性

以下の2つの条件を満たすことを考慮します。

  • 浴槽の中で使う時に浴槽台が浮かない
  • 上に乗った時に浴槽台が不意に動かない

そのためには、浴槽の底や洗い場の床に固定できるタイプの物が望ましいです。

具体的には、浴槽台の足の裏に吸盤が付いている物がおすすめです。

4.材質

以下の3つの条件を満たす材質であることを考慮します。

  • 座面が滑りにくい
  • 軽量性
  • 耐久性

5.清掃のしやすさ

温度や湿度が高い場所で使う物ですから、カビ等を生やさないように掃除がしやすい物を選ぶのが望ましいです。

使用した入居者様の感想

入居者様に実際に使ってもらい、どうだったかを尋ねました。

浴槽台が有る時と無い時のそれぞれで、良い点と悪い点を教えて下さいました。

浴槽台が有る浴槽台が無い
良い点立ち上がるのが楽肩までどっぷりお湯に浸れて気持ちが良い
悪い点お湯に浸れないのであまり気持ち良くない立ち上がるのが大変

どちらにしても一長一短あり、浴槽台を使うか使わないかをすぐには決めかねていらっしゃるご様子でした。

一人の人の感想ですので、他の人に尋ねたら異なる観点での声が聞けるかもしれません。

ですが、気持ちよさを減らしてでも立ち上がりやすさを優先して浴槽台を使うか、立ち上がりにくくても気持ちよさを優先して浴槽台を使わずに済ませるか、どちらを優先させるかの選択と思われます。

となると、立ち上がりやすさを優先して、浴槽台を使ってお湯に浸る選択をすることが得策です。

なぜならば、浴槽から出られなくなったり、無理して出ようとしてケガをしては大変だからです。

また、お湯に浸っていない肩や胸の上の方は、お湯で濡らしたタオルを掛けたり、更には、桶などでお湯をすくってかけるという方法で補うことも可能だからです。

ただし、浴槽台の助けを借りても立ち上がれないほどに老化や筋力低下が進んでしまったならば、浴槽には入らない選択をするのが賢明と思われます。

おすすめの浴槽台

浴槽台を活用して、安全かつ快適な入浴を

浴槽の底まで腰を下ろしてしまった状態からは立ち上がれないとしても、浴槽台によって底上げされた位置からならば立ち上がることができる高齢者もいらっしゃいます。

せっかくの入浴の機会ですから、できればお湯にどっぷりと浸ることを望む人もいらっしゃると思います。

立ち上がれないために浴槽に入らずに済ませている人ならば、その望みを叶えるのに浴槽台を使用することはとても有効です。

浴槽台を活用して、安全かつ快適な入浴の時間をお過ごしいただければ幸いです。

老人ホームに入所する選択肢もあります

私達人間は、老いると、年齢を重ねるとともに必要とする介護の量も増えていきます。ですが、あなたがあなたの生活を続けながら親御さんの介護をするとなると、できる介護にも限界があります。そんな段階に差し掛かっている親御さんであれば、介護は介護のプロに任せて、老人ホームで見守られながら生活してもらうことも検討してみてはいかがでしょうか?

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丹羽 英之

老人ホームで介護職員をしている経験をもとに、介護に関して有益な色々な情報を紹介していきます。

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